Titanium もくもく会 Tokyo #8 に行ってきました
毎月恒例の Titanium もくもく会 Tokyo #8 に行ってきました。今回は 株式会社リクルートキャリア様 に会場を提供していただきました。ありがとうございました。
それでは今回も簡単なレポートで報告します。
DENSO からのご案内
ちょっと気が早いですが、 6/13 は DENSO IT ラボラトリ 様の会場提供で Titanium もくもく会 Tokyo #9 が開催予定です。その場で紹介されるそうですが、カーナビのアプリを Titanium で開発するデモが行われるそうです。
Tizen の紹介 (インテル株式会社)
本日のメインディッシュとしてインテル株式会社から Tizen (タイゼン) についての紹介がありました。 Tizen はインテルと Samsung が主導で世界中のキャリアやメーカーが開発を行っている OS で、モバイル Linux のあるべき姿を目指して、足りない部分も OSS として開発されています。
Linux カーネル 3.4 をベースに、 SMACK という強制アクセス制御の仕組みを取り入れた標準的な X11 や glibc などの Linux スタックを元にしています。デスクトップ Linux であれば NetworkManager を使うところを、 ConnMan という小さくて依存の少ないものに置き換えたりしています。
今年の2月に Tizen は 2.0 を迎え、現在の開発ブランチでは 2.1 が進められているそうです。アプリケーション開発は C++ を使ったネイティブ開発と、 HTML/CSS/JS を使ったウェブベース開発があります。ウェブベース開発というとブラウザアプリケーションのような物を想像しますが、 Tizen ではフルにデバイスアクセスできる機能を提供します。
Tizen は HTML5 の標準準拠に力を入れていて、 Webkit / JavaScriptCore という組み合わせで
- HTML5 で標準策定されたものを実装
- HTML5 で標準に策定されそうなものを先行実装 (標準化されたら置き換え)
- HTML5 で標準化されなかった物を独自実装
をポリシーとしています。 ウェブベース開発の場合、アプリケーションパッケージは W3C Widget Packaging and XML Configuration という形でパッケージングされ、これもやはりウェブ標準準拠だそうです。
標準を超えるものは Tizen が独自で提供するために、デバイスにフルにアクセスできるようですね。そして標準になったらそれに置き換える方針のようです。
アプリケーション配布マーケットも運営し、ネイティブだろうとウェブベースだろうと同じマーケットから同じ仕組みでインストールするため、ユーザーからは全く違いが分かりません。
質問
- Q. 様々なメーカーの力関係は?
- A. インテルと Samsung が強い。それは貢献をしているから。また、実際に Tizen をビジネスにしようとしているところは発言力も強くなる。商売にしないとコミュニティとして意味が無くなってしまう。
- Q. Webkit と JSCore だけど、 Blink とか、その手の動きはどうなの?
- A. コミュニティの中ではそこまで話題になっていない。とにかく Tizen が大切にするのは HTML5 への準拠度合い。これとエンジンに関してはまた別の話になると思う。 Tizen の準拠度は本当に高い!
- Q. Android みたいなフラグメンテーションは起きない?
- A. これから市場に出てくるから何ともいえない。 Tizen は1年に1度のメジャーバージョンアップを予定している。そのときの HTML5 対応度によって動きは変わるかもしれないが、 JavaScript でラッパーを書けば対応できるかも。
- Q. 開発のための実機が欲しい
- A. LinuxCon で製品に近い物が配られるはず。今はそうした場でしか入手できない。コミュニティに申請をして開発用端末を入手するプログラムもある。
Titanium 用 Twilio モジュールの紹介 (@yagi_)
ユーザー会会長の @yagi_ さんから Titanium 用の Twilio モジュールの紹介がありました。 Twilio は VoIP API を提供する企業で、日本では KDDI Web Communications 様がパートナーをされています。
要は、 API と通信するだけでマルチクライアントな音声通話や、コールセンターロジックを使うことができるもので、ネイティブ SDK しか提供されていなかったところに Titanium 用のモジュールを作り、そのデモが行われました。
実際に Mac と iPhone の間で音声通話が行われる様や、自動音声応答がなされる様が紹介されました。サーバサイドもクライアントサイドも非常にシンプルなコードで実装が可能で、1日もあれば IP 電話アプリが組めてしまいそうです。
次回もくもく会
次回は 6/13 に DENSO IT ラボラトリ 様の会場提供で Titanium もくもく会 Tokyo #9 が開催予定です。
CODESTRONG!